トップメッセージ
株主・投資家の皆様へ
~2024年12月期第1四半期における連結決算を終えて~
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、堅調な企業業績を背景にした株式市場の活況や、雇用・所得環境の改善がみられるものの、コロナ禍明け後の需要増加は一巡し内需の鈍化がみられました。一方で、当社の主力事業であるデータセンターの分野では、米クラウド大手の各社(Amazon、Microsoft、Google、ORACLE)が相次いで日本国内での大規模投資を打ち出すなど、デジタル庁が推し進める「ガバメントクラウド」の整備や、生成AI(人工知能)の急速な普及を背景とした投資が活発化しております。近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展や、「ガバメントクラウド」を代表例としたデータを国内で管理する「データ主権」志向の後押しもあり、当社が展開するデータセンター、クラウド、およびデータ・ソリューションの分野においては、今後も市場は継続的に拡大を続けると見込んでおります。
このような中、2024年12月期第1四半期(2024年1月~3月)の連結決算を終了しましたので、その概要を要約させて頂きたいと存じます。
2024年12月期第1四半期における連結決算は、売上高3,090百万円(前年同期比11.7%減)、営業利益76百万円(前年同期は34百万円の損失)、経常利益167百万円(前年同期は52百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は119百万円(前年同期は60百万円の損失)となりました。
連結業績につきましては、ブロードバンドタワー本体が中心として展開するコンピュータプラットフォーム事業において、基幹である「新大手町サイト」を擁するデータセンターの売り上げ・利益が共に堅調に推移いたしました。また、当社独自のクラウドサービス「c9 Flex」(シーナイン フレックス)をAmazon Web Services (AWS)・Microsoft Azureなどのパブリッククラウドサービスと共に展開するクラウド・ソリューションでは、市場の拡大を背景に売り上げが増大いたしました。他方で、「Dell PowerScale / Isilon」とその関連製品であるカナダ「Superna」(スパーナ)社製ランサムウェア対策ソリューション群を提供するデータ・ソリューションでは、大型案件の減少により、前年同期比で売り上げが減少しております。
連結子会社のジャパンケーブルキャスト株式会社(JCC)を中心に展開するメディアソリューション事業では、「JC-HITS」を中心としたコンテンツプラットフォームのサービスにおけるケーブルテレビ局の多チャンネル放送サービスのユーザー数の減少、および「JC-data」や「地域・防災DXサービス」などのインフォメーションプラットフォーム関連サービスの新規受注不足により、売り上げが減少しております。しかしながら、ケーブルテレビ局との関係性を生かし、DXで地域貢献を目指す事業である「地域・防災DXサービス」については、本年3月に、JCCと長野県青木村、および長野県上田市・東御市・坂城町・青木村でサービスを展開する株式会社上田ケーブルビジョン、東京都港区に本社を置くシステムインテグレーターの京セラみらいエンビジョン株式会社の4者で、青木村が実施する「情報通信ネットワーク等高機能化促進事業」への事業協力協定を締結するなど積極的な展開を続けており、今後も精力的な販売促進活動を行うことで、売り上げの増加を目指してまいります。
当社は、日本のインターネットの中心地である東京 大手町地区に基幹データセンターである「新大手町サイト」を擁し、主要なIX (インターネット・エクスチェンジ:インターネット接続事業者、クラウド事業者、大量コンテンツ提供事業者のトラフィック交流拠点)やAmazon (AWS)・Microsoft (Azure)などのメガクラウド事業者との閉域網接続(直接接続)を実現するなど、「インターネットに近い」・「ネットワークに強い」データセンター事業者として一貫して歩んでおり、その特徴と強みは、国内のデータセンター群が拡大・充実していく今こそ、当社の強みを生かし、一層の際立ちを見せると考えております。
引き続き、当社は堅調である新大手町サイトとデータ・ソリューションの売り上げの維持と伸長を図り、原価および販管費の圧縮に継続的に努めることで、すでに公表しております2024年12月期通期業績予想の達成へ向け尽力してまいります。
今後とも、尚一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
株式会社ブロードバンドタワー