Top Message

トップメッセージ

株主・投資家の皆様へ
株式会社ブロードバンドタワー
代表取締役 会長兼社長 CEO
藤原 洋

株主・投資家の皆様へ

2023年12月期第3四半期決算を終えて~

当社グループが属する情報サービス産業においては、ソフトウェア・ハードウェア技術の進展、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応やデータ活用に対する取組みなどにより、データセンター市場、クラウド市場は今後も中長期的に拡大していくものと見込んでおります。ことに、都心にあるIX(インターネット・エクスチェンジ:インターネット接続事業者、クラウド事業者、大量コンテンツ提供事業者のトラフィック交流拠点)やユーザー企業の拠点に近いデータセンターの需要は高まりを見せており、世界最大手の事業用不動産サービス・プロバイダーのCBRE社が2023年3月に発表した調査では、首都圏のデータセンターの平均稼働率は2022年末で88%と発表されております。

このような中、2023年12月期の第3四半期決算(2023年1月~9月)を終了いたしましたので、その概要を要約させて頂きたいと存じます。

当第3四半期における連結決算は、売上高9,904百万円(前年同期比9.6%減)、営業損失173百万円(前年同期は265百万円の損失)、経常損失208百万円(前年同期は有価証券の売却等もあり592百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は169百万円(前年同期は486百万円の利益)となりました。

業績概要につきましては、2つのセグメントのうち、ブロードバンドタワー本体が中心として展開するコンピュータプラットフォーム事業は、昨年(2022年)6月末の段階で契約率90%を超えた新大手町サイトについて、稼働率が継続的に上昇し、本年(2023年)9月末の時点で66%を超えるなど、売り上げを牽引いたしました。なお、昨今の電気料金の増加に伴う経費増につきましては、利用顧客のご理解を頂き料金への転嫁を実施しており、当社の収益への影響は軽微です。しかしながら、利益率の高い運用受託サービスの終了や第1サイトの一部顧客が新大手町サイトに移行した影響などにより、データセンター事業全体では、前年比で売り上げが減少しております。クラウド・ソリューションでは、自社のc9サービス、パブリッククラウドサービスなどの売り上げが堅調に推移しております。データ・ソリューションにおいては、主力であるDell Technologies社製の「Dell PowerScale / Isilon」の売り上げが好調であるととともに、当社は国内代理店の第一号として、カナダSuperna社のランサムウェア対策ソフトウェア「Eyeglass Ransomware Defender」の引合いも好調であることから、売上高拡大の一翼を担っております。

一方、メディアソリューション事業では、中核を担うジャパンケーブルキャスト株式会社(JCC)が展開するケーブルテレビ事業者向けデジタル多チャンネル配信プラットフォームサービス「JC-HITS」におけるユーザー数の減少、自治体DX案件の受注不足などが影響し、売り上げが減少いたしました。また、沖縄ケーブルネットワーク株式会社(OCN)が株式譲渡により持分法適用関連会社へ移行したことに伴い、メディアソリューション事業としては大幅な売上減となっております。

2023年12月期は、コンピュータプラットフォーム事業において、主にデータ・ソリューションと新大手町サイトが売り上げを牽引し、事前の予想よりも損益の赤字幅は縮小傾向にありますが、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、原材料およびエネルギー価格の高騰、金融資本市場の変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社は、引き続き「DataセンターカンパニーからDXセンターカンパニーへ」のビジネスモデルの転換に取り組み、DX時代を先導する企業としてさらなる歩みを進めさせて頂く所存です。

なお、当社は経済産業省が定めるDX(デジタルトランスフォーメーション)認定制度に基づく「DX認定事業者(DX-Ready)」としての認定を取得しておりますが、認定期間満了に伴う更新手続きにおいて、去る11月1日付にて再認定されましたことをご報告いたします。

今後とも、尚一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

2023年11月 2日
株式会社ブロードバンドタワー