トランスコスモス株式会社

  • 業種

    スマホアプリ開発、構築

  • 課題・要望

    AWS上での基盤構築、運用

  • 製品・サービス

    クラウド、MSP監視運用

  • クラウド
  • スマホアプリ開発、構築
  • AWS上での基盤構築、運用
国内外で活躍するさまざまな企業、組織に向けて、DXの促進やアウトソーシングサービスなどを提供しているトランスコスモス。その中で、クライアント企業のECサイト構築、運営を担当するCX事業統括ECX本部では、より充実したサービスを提供するために、インフラ分野について外部委託を決定した。検討を経て選ばれた委託先が、AWSの公認パートナーであり、非機能要件定義からインフラ詳細設計まで可能なBBTowerだった。
ポイント
  • 〇 クライアントに提供するカスタムアプリケーションの開発に集中するために、基盤の関連の構築、運用を「Amazon公認 AWSアドバンスドコンサルティングパートナー」であるBBTowerに委託
  • 〇 上流工程であるクライアントとの打ち合わせにもBBTowerのエンジニアが参加。綿密なやり取りを経て、柔軟かつ安定性の高い非機能要件定義を対応
  • 〇 オプションの監視運用サービスなどにより、トラフィック量の急増やエラー発生時にも即時対応
  • 〇 伴走型の支援により、検討、構築、運用時の課題をすべて共有。エラーへの対応も迅速に

基盤の非要件定義から設計、構築、運用監視まで、豊富な知見を備えたBBTowerに委託。 一気通貫のサポート体制を受け、自社のマンパワーをECサイト、アプリの開発に集中

企業と消費者の深いつながりを支えるECサイトを目指して

トランスコスモス株式会社
CX事業統括ECX本部
ECXプラットフォーム統括部
セールスプラットフォーム部
部長
鈴木 進氏
1985年の設立以来、多種多様な業種、業界においてアウトソーシング事業を展開してきたトランスコスモス。
2014年からはECのアウトソーシングサービスとして、ECサイトの構築、運用も請け負い実績を重ねてきた。

CX事業統括ECX本部 ECXプラットフォーム統括部 セールスプラットフォーム部 部長 鈴木進氏は、「EC業界は変化が激しく、常に進歩が求められる世界」と述べたうえで、現在注力している領域として、企業と顧客がダイレクトに取引する「メーカー直販」と、ネットショップとリアル店舗を統合し、顧客にとって最適な形で商品を提供する「OMO」の二つを挙げた。

「トランスコスモスのEC事業では、サイトの『構築』から品ぞろえ、品出しなどの商品管理を行う『運営』までをワンストップで提供しています。

またご要望に応じて、自社開発のオーダーマネジメントシステムによる注文管理から商品のピッキング・同梱、配送業者への受け渡しまでを代行することも可能です。

その中で常に意識していることは『EC事業を展開しているクライアント企業に成り代わって、商品を購入される消費者のお客様に向けてサービスを提供している』点です。売る側、買う側の両方に寄り添いながら、高品質のサービスを提供し続けることを心がけています」(鈴木氏)

アプリ開発に集中するために、
インフラ関連の外部委託の検討を開始

2022年、トランスコスモスの元に、とあるアパレルメーカーから「ECと実店舗を横断したサービスを提供するECサイトの構築」の依頼が届いた。

「寄せられたご要望の中には、リアル店舗とのポイント共有、基幹システムとの連携、QRコードの利用による会員管理など、汎用的なECアプリケーションでは対応できない機能もありました。それらのニーズを一度に解決するためには、カスタムアプリケーションの開発が必要だったのです」(鈴木氏)

そしてECサイトだけでなく、インフラとなる基盤の構築を含めたすべての開発をトランスコスモスが請け負うことに決まった。

ECサイトのプラットフォームとしては「Shopify」が採用された。トランスコスモスではShopify PLUSパートナーでもあるShopifyは、世界最大のシェアを誇り175カ国で170万以上のアクティブストアで利用されている。圧倒的にスケーラブルなインフラ、柔軟な拡張性、ソーシャル連携、マルチチャンネル、バックオフィス機能などECに必要な機能を豊富に備えている。

独自のECサイトを持つ利点として、「独自に構築したサイトだからこそ、いろいろな工夫がこらせます」と挙げるのは、CX事業統括ECX本部 ECXプラットフォーム統括部 セールスプラットフォーム部 マーチャントシステム開発2課 課長 尾崎克孝氏だ。

一例としてはリアル店舗とネットショップの間でポイントの共通化だ。スマホアプリを使って、ポイントを共通化すれば、消費者のメリットにつなげられるし、双方から得られた情報をマーケティングにも利用できる。

システムを稼働させるインフラとなる基盤にはAmazon Web Services(AWS)が選ばれた。しかしこのときトランスコスモスでは、基盤を構築するスタッフの手配に懸念を持っていた。

「社内にはインフラに強いチームもいたのですが、別の案件に専念しており、このプロジェクトに回せる余力が足りませんでした。しかし外部に委託するとしても、大規模なプロジェクトですから、信頼できるパートナーでなくてはいけません。そのとき、頭に浮かんだのが、以前から取引もあり、AWSの知見も豊富なブロードバンドタワー(BBTower)でした」(鈴木氏)

基盤の非機能要件まで対応可能なBBTowerを選定

尾崎氏は当初「BBTowerには基盤の構築、運用、監視サービスのみを依頼するつもりでした」と語る。しかし相談の中で「非機能要件の定義」についても任せられることを知ったという。基盤における非機能要件とは、可用性や安定性、セキュリティ、拡張性など多岐にわたるうえ、定義するには豊富な経験に基づく知見も欠かせない。

「非機能要件は、その後に続く設計、構築作業にも関連するものです。非機能要件の定義と、設計、構築をそれぞれ別のパートナーに依頼するのではなく、BBTowerに非機能要件の段階から関わってもらえるなら、まさに渡りに船でした」(鈴木氏)

そしてトランスコスモスは得意としているECサイトとアプリの構築を担当、基盤の非機能要件の定義、設計、構築、運用、監視サービスをBBTowerが担うことになった。具体的には、BBTowerは「SE支援サービス」として非機能要件定義とインフラ詳細設計、「AWSアカウント、環境構築」として基盤構築、運用後にサイトのトラフィックやエラー発生などを監視する「Monitoring Service Plus監視運用サービス」を提供した。

綿密な打ち合わせで、非機能要件定義を決定。
セール時のアクセス急増にも対応可能に

「ECサイトは24時間365日、特にセールやキャンペーンのようにアクセスが急増する時期であっても安定稼働を実現させなくてはいけませんので、基盤の安定性が非常に重要になります。そこで非機能要件をしっかり定義しておきたいというお客様のお考えもありました」(鈴木氏)

基盤の非機能要件については、アパレルメーカー、トランスコスモス、BBTowerで会議を重ねながら、要件を決めていった。

「細かい質問に対しても、インフラのプロとしてBBTowerが答えてくれました。特にAWSのようなパブリッククラウドは機能やサービスが日々進歩しており、そういう最新情報も把握しているBBTowerに同席してもらえたのは安心でした。そうしてお客様が抱える懸念をその場で話し合い、一緒に理解を深めていったからこそ、過不足のない非機能要件定義が進み、その後のスムーズな構築、運用にも良い影響を与えたと感じています」(尾崎氏)

開発工程に移ってからのBBTowerについて、尾崎氏は「フットワークが軽く、連携しながら仕事を進めやすい」点を評価している。トランスコスモスとBBTowerは、効率よく情報を共有、連携するために、プロジェクト管理ツールを用いて全体の進捗を管理しつつ、チャットやオンライン会議システムを使って連絡を取り合った。

開発途中のテストの際には問題が見つかるものだが、トランスコスモスが担当しているアプリのエンジニアと、BBTowerが担当している基盤のエンジニアが密に連絡を取り、スピーディーに解決していった。

「BBTowerに『問題が出ている』と伝えると、即座に『今日の午後からでもいいですか?』と返信が届いて、解決に向けて動き出すというスピード感でした。このフットワークの軽さには、さまざまな場面で助けられました」(尾崎氏)

そして2023年9月に新しい強固なインフラ基盤とECサイトが完成した。
「BBTowerは限られたスケジュールの中で、とても柔軟に対応してくれました。アプリケーションチームの課題を常に共有し、その解決につながるヒントがインフラ側にあれば、スピーディーに提示してくれました。そうした姿勢は、こちらとしてもありがたいものでした」(鈴木氏)

トラフィック量の急増による負荷やエラー発生を見逃さない「監視運用サービス」

トランスコスモス株式会社
CX事業統括ECX本部
ECXプラットフォーム統括部
セールスプラットフォーム部
マーチャントシステム開発2課
課長
尾崎 克孝氏
年末やキャンペーン開催時などの商機には、多くのトラフィックが発生する。その中でインフラを安定して稼働し続けるためには、システムを監視し続け、問題が発生した場合には即座に対応する必要がある。しかし、その点について「懸念は一切生じなかった」と尾崎氏は説明する。

「一般的に、キャンペーンなどの開催時には、システムに甚大な負荷がかかるものです。そのため、いくら実績のあるAWSであっても、気を緩めることはできません。しかし、今回のケースではMonitoring Service Plus監視運用サービスを利用しているため、リリースから現在に至るまで、トラブルや懸念は一切生じていません。今後のクリスマス商戦や年始セールにおいても、安心して運用を任せられます」(尾崎氏)

エラーの発生時にはMonitoring Service Plus監視運用サービスが速やかに検知し、エンジニアへの連絡を行う。その際の対応も、ワンストップで導入を進めてきたBBTowerであれば、調査から解決まで、スムーズな対応が可能だ。

「万が一のトラブルが起きたときにも、非機能要件定義から詳細設計まで担当してくれたBBTowerであれば、環境の構成自体を理解しているので、迅速に解決してくれます。そう言った点も、安心感につながっていますね」(尾崎氏)

変化の激しいEC事業を、インフラの知識で支援

これまでのBBTowerとの協力体制を振り返りながら、尾崎氏は、常に最新情報へのアンテナを張り、技術を磨き続けるBBTowerの姿勢を評価している。

「AWSは時代に合わせてサービスも広がり、機能も進歩していきます。今回のプロジェクトではこういう構成だったが、次のプロジェクトではもっと新しい機能を駆使して、よりコストを抑え、パフォーマンスに優れた、安定性の高い基盤が作れるかもしれません。そうやって、一緒にブラッシュアップしていけたらと思います」(尾崎氏)

鈴木氏は「BBTowerに非機能要件の定義から参画してもらったのは今回が初めてでしたがとても頼りになりました。私たちの開発手順だけでなく、Shopifyならではの非機能要件定義に関するルール作りにも協力してもらいました。この経験は、これからの受注案件への対応にも役立つと思います」と述べ、次のように続けた。

「EC事業は、社会情勢やテクノロジー、ニーズを受けて大きな変わっていく領域です。そのためアプリケーション側はもちろん、インフラとなる基盤も変化に進歩していかなければいけません。インフラ領域の専門家であるBBTowerには、今後もこれからのEC事業にフィットするようなサービスやインフラ基盤についてご提案いただければと期待しています」(鈴木氏)
企業名
トランスコスモス株式会社
https://www.trans-cosmos.co.jp/
設立
1985年
所在地
東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60
事業内容
1985年設立。「お客様の満足の大きさが我々の存在価値の大きさ」という理念を掲げながら、国内外の多種多様な企業に向けて、DXの促進やコールセンターの構築、運用支援、アウトソーシングサービスなどを提供している。