タカラバイオ株式会社

  • 業種

    化学 バイオテクノロジー

  • 課題・要望

    慢性的な容量不足・ストレージの一元管理

  • 製品・サービス

    ストレージ

  • ストレージ
  • 化学 バイオテクノロジー
  • コスト削減
遺伝子工学・バイオ関連事業を手がけるタカラバイオ株式会社では、大学や研究機関の遺伝子・ゲノム研究をサポートする研究受託サービスを展開している。しかし近年では、解析業務に用いられるシーケンサーの高性能化が進んだことから、解析データを保存するストレージの性能・容量不足が課題に。そこで同社では、ブロードバンドタワーの支援を得てEMC社の「EMCアイシロン スケールアウトNAS」を導入。最先端研究を支える先進的なストレージ環境を実現している。

遺伝子・ゲノム研究の研究受託サービスに
「EMCアイシロン スケールアウトNAS」を活用

遺伝子・ゲノム研究を支えるストレージ基盤の刷新が課題に

タカラバイオ株式会社
ドラゴンジェノミクスセンター
センター長 理学博士
高山 正範氏
導入の背景
宝ホールディングスグループのバイオ関連企業として、遺伝子工学研究、医食品バイオ、遺伝子医療の3事業を手がけるタカラバイオ。 その事業戦略の一翼を担っているのが、三重県・四日市市に拠点を構えるドラゴンジェノミクスセンターである。

「当センターは2000年にアジア最大級の設備を誇るゲノム(遺伝子情報)解析施設としてオープン。現在もヒトゲノム解析や遺伝子工学実験など、多彩な研究受託サービスを展開しています」と語るのは、センター長を務める高山正範氏。

近年では塩基配列を読み取る「シーケンサー」の高性能化・高機能化も進んでいるため、同センターでも最先端の次世代シーケンサーを導入してユーザーの研究活動をサポートしていると続ける。

タカラバイオ株式会社
ドラゴンジェノミクスセンター
副センター長
佐藤 昭之氏
副センター長の佐藤昭之氏も「研究受託サービスを手がける企業の中には、解析作業を海外の研究機関に再委託したり、解析業務の 一部しか実施していないところも存在します。その点、当センターでは、シーケンスからサンプルの処理、データ解析に至るまで、全てのプロセスにワンストップでご対応できます」と語る。

その同センターが、研究受託サービスに用いられるストレージ基盤の刷新に取り組んだのは2011年のこと。シーケンサーから出力されるデータ量は年々増加の一途を辿っており、既存ストレージは既に性能・容量的な限界に達していた。

「最近ではお客さまからの作業依頼も複雑になっており、システムの処理時間も長くなりがちな傾向にあります。少しでも結果を早くお戻しすることが当社の責務ですから、インフラの改善が急務と感じていました」と野田英之氏は振り返る。

このプロジェクトのパートナーとして選ばれたのがブロードバンドタワーだ。 福村浩和氏は、その決め手を「市場に提供されている様々なソリューションの中から、当社の要件に最もフィットしたものを提案してくれた点を評価しました。ブロードバンドタワーはサポート体制も充実していますので、その面での安心感も高かったですね」と語る。

「EMCアイシロン」を導入し性能と運用管理性を大幅に向上

タカラバイオ株式会社
ドラゴンジェノミクスセンター
課長
野田 英之氏
導入のポイント
今回新たなストレージとして導入されたのは、EMC社が提供する「EMCアイシロン スケールアウトNAS」である。このストレージは独自のアーキテクチャを採用しており、CPU・メモリ・ディスクを一体化したプラットフォーム・ノードを追加するだけで、リニアに性能・容量を拡張することができる。

また最大20PBの大容量ストレージ環境を巨大な単一のボリュームとして利用できるなど、TB級の大容量データを取り扱う同センターには、まさにうってつけのストレージであった。 「導入にあたっては、ブロードバンドタワーの協力を得て他社製品との比較・検証も行いましたが、アイシロンはパフォーマンスの面でも群を抜いていました。 またブロードバンドタワーは、アイシロンに関する製品知識が豊富な上に、メーカーであるEMC社との関係も緊密なので、今後の業務を支える新たなストレージ基盤への採用を決めました」(福村氏)。

現在はシーケンサーやデータ解析用サーバなどとの接続用に「Isilon X200」を6ノード、納品後の解析データなどの保管用に「Isilon NL400」を5ノードそれぞれ導入。ちなみにNL400については近日中に増設が予定されているが、アイシロンは無停止でノードが追加できるため、こうした作業の際にも業務に影響を与える心配はない。

導入の効果
タカラバイオ株式会社
ドラゴンジェノミクスセンター
福村 浩和氏
アイシロンの導入により、懸案であった性能・容量不足の問題は解消。 複数のストレージに分散していたデータを統合管理できるようになったことで、システムの運用管理性も大幅に向上した。 「作業時間の短縮効果も大きいですね。以前は約1ヶ月程度掛かっていた解析作業が数週間で終えられるようになり、お客さまからもご好評を頂いています。研究受託サービスの受注拡大を図る上でも、大きな効果が現れています」と野田氏。

佐藤氏も「シーケンサーと解析用ITインフラはいわば車の両輪ですから、両者の歩調が揃わないと最適な環境は実現できません。従来はややシーケンサー側が先行しているような状況でしたので、アイシロンの導入によってレベルアップが図れたのは喜ばしい」と続ける。

今後に向けた抱負を「現在では遺伝子・ゲノム研究に関わる先進プロジェクトが 世界中で進んでいますので、当センターでもインフラの整備・拡充を図りサービス品質とコスト競争力を高めていきたい」と力強く語る高山氏。パートナーであるブロードバンドタワーにも、大きな期待が寄せられている。
システム構成図
企業名
タカラバイオ株式会社
https://www.takara-bio.co.jp/
設立
平成14年4月1日
所在地
滋賀県大津市瀬田三丁目4番1号
事業内容
・遺伝子工学研究事業 ・遺伝子医療事業 ・医食品バイオ事業