NTTスマートコネクト株式会社

  • 業種

    ハウジング、クラウド、ストリーミング、データ分析

  • 課題・要望

    設備の老朽化 ロケーション

  • 製品・サービス

    データセンター

左から、NTTスマートコネクト株式会社 メディアビジネス部の古澤龍一氏、NTTスマートコネクト株式会社 メディアビジネス部の竹内拓麻氏
  • データセンター
  • ハウジング、クラウド、ストリーミング、データ分析
  • 設備の老朽化
ハウジングやストリーミングなどのサービスを展開しているNTTスマートコネクト。 ストリーミングのシステムでは配信データを西日本と東日本のデータセンターに分けて集約してきたが、新サービスリリース時に、東日本のデータセンターの老朽化を契機にブロードバンドタワーの新しい都市型データセンター 「新大手町サイト」へ一部設備を新設した。

ストリーミングサービスの一部を都市型データセンター「新大手町サイト」へ新設
リモートハンドなど、運用業務にも役立つ充実のサービスを利用し、大阪からでもスムーズに利用できるDC

西と東のデータセンターを連携し、
高品質、低遅延なストリーミングサービスを提供

西日本エリアに所有する自社データセンターを活用してハウジング、クラウド、ストリーミング、データ分析・活用の4事業を展開しているNTTスマートコネクト。メディアビジネス部の竹内拓麻氏は、事業におけるデータセンターの重要性について「当社の事業はいずれも、堅牢な設備と高速接続環境を持つ自社のデータセンターを活用しながら、サービスを提供してきました。私が所属するメディアビジネス部は、主に映像や音声の配信に関するストリーミングサービス事業を行っていますが、当社の強みであるコネクティビティを生かした配信サービスを実現してきました」と語る。NTTスマートコネクトのデータセンターはIXと直接接続し、遅延も低く抑え、また必要に応じて増強できる拡張性の高いコネクティビティも備えている。

ストリーミングサービス、特に放送品質、リアルタイム性が求められるネット放送やネットラジオで重要になるのが安定性、レイテンシーだ。NTTスマートコネクトでは、事業者から送られてくるコンテンツをデータセンターで集約し、NTTスマートコネクトのシステムを通して視聴者に配信するという仕組みをとっているが、遅延を生じさせないためのさまざまな工夫が行われている。

その工夫の一つが、日本の東西に配置するデータセンターの連携だ。視聴者へのコンテンツ配信は、NTTスマートコネクトが管理運用している西日本のデータセンターから行われている。しかしコンテンツ事業者からのデータ集約は、西日本エリアの事業者からは西日本のデータセンターを、東日本エリアの事業者からは他社が持つ東京のデータセンターを利用して集約していた。より事業者に近い場所で集約することで、遅延を抑制していたのである。 「リアルタイムなストリーミング配信が身近に、かつ大切なものになってきました。万が一トラブルが起こると多くの視聴者に迷惑がかかりますので、24時間365日守り抜く必要があります」(竹内氏)

大手町という好ロケーション。
IXやメガクラウドとも直結した都市型データセンター

ところが長年利用してきた東日本のデータセンターの老朽化が懸念されてきた。そこで東日本エリアでの新たな拠点構築を検討していたころに耳にしたのが、ブロードバンドタワーが大手町に都市型データセンター「新大手町サイト」を構築するという噂だった。詳細を確認すると、耐震基準や安全基準を満たす最新のファシリティ、設備を持ち、IXやメガクラウドとも直接接続されているため、通信の安定性、高速性、低遅延の面でも安心だった。

中でも魅力的だったのが、立地だ。竹内氏は「大手町という恵まれたロケーションに新しいデータセンターができるというのは、当時大きな話題になっていました。当社は多くのコンテンツ事業者と取引していますが、新大手町サイトはどの事業者とも接続しやすいロケーションでした」と語る。

東京駅に近い点もメリットに感じた。普段大阪オフィスで勤めている竹内氏は、移設、構築などの作業に立ち会う際には東京まで足を運ぶ必要が生じるが、大手町であれば新幹線を降りてすぐにたどり着ける。

また東日本におけるデータセンターには、西日本のデータセンターが災害時にサービスの継続ができなくなったときのための、BCPやDRとしての役割も期待されていた。これまで視聴者への配信を担う西日本のデータセンターでトラブルが発生した際には、メガクラウド経由での配信に切り替える仕組みを構築していた。このシステムを東日本の拠点でも実現したいと考えていたが、その点でもメガクラウドと接続している新大手町サイトは適していた。

配送した機材も現地スタッフが受け取り。
メンテの機器や工具も用意

2019年、ブロードバンドタワーのデータセンターと契約し、半年ほどかけて旧データセンターから新大手町サイトに、サーバーやネットワーク機器などを移した。実際に移転を担当した竹内氏は、ブロードバンドタワーがコンセプトとして掲げている「手ぶらで来ていただけるデータセンター」の恩恵を実感したという。

「各種手続きが事前にWebから申請でき、入館時も物理カードを使わずに、静脈や顔を使った生体認証でスムーズに進むので楽でした。また通常なら持参するべき機器や工具などもお借りできます。例えば、サーバーに接続するモニターやキーボード、組み立てなどに使う工具、機器に貼付するシールを印字するラベルプリンターなどもレンタルできますので、本当に手ぶらで訪れても仕事に困りません」(竹内氏)

さらにサーバー類の機器を配送した場合、ブロードバンドタワーのスタッフが代理で受け取ってくれる点も高く評価していた。

「以前のデータセンターは機器を持ち込むときは、東京の事務所に送ったものをタクシーで運ぶか、日時指定してデータセンターに送り、自分で受け取っていたため、大きな手間が掛かっていました。しかしブロードバンドタワーでは事前申請しておけば代わりに受け取ってくれます。ブロードバンドタワーは気の利いたサービスがあるため、負担が軽く済みます」(竹内氏)

本格稼働に移ってからはリモートハンドのサービスが役立っている。データセンター内に設置したサーバー類のLED表示やケーブルの配線などはサーバールームでの目視が必要となる。その確認などを毎日ブロードバンドタワーが巡回して確認している。

また施設内に設けられた会議室や休憩室もベネフィットが高かったと竹内氏は述べる。移設の際には、作業するラックの前でスタッフと打ち合わせすることも少なくないが、空調機器の騒音が大きく会話が難しい。しかし新大手町サイトには静かな会議室が用意され、テーブルに図面を広げながらのスムーズな打ち合わせが可能だった。

仮想現実、XRを駆使した新しいビジネスの拡大にも貢献

2019年の稼働後、NTTスマートコネクトが自社運営しているデータセンターと、ブロードバンドタワーの新大手町サイトの連携によるストリーミングサービスは順調に稼働を続けている。

ただ通信会社での通信障害といった外部でのトラブルによりストリーミングサービスに影響が及んだこともあったという。そのようなときでも、新大手町サイトと接続したメガクラウドからの配信をスムーズに実行し、視聴しにくいユーザーを減らすことができた。

「今回、当社が自ら構築してきたものと同レベルのものを、東日本エリアに構築できました。現在は西日本がメイン、新大手町サイトがサブという位置づけですが、今後は、データセンターをより柔軟に利活用することで、お客様要望に応じた環境構築が可能になると考えております。」(竹内氏)

システム開発の立場から新大手町サイトを利用しているメディアビジネス部の古澤龍一氏も「メディアビジネス部としては、仮想現実を使った双方向のライブ通信のようなXRのビジネスにも注力しています。今は西日本エリアのデータセンターの活用を前提としていますが、事業を大きく成長させていくには冗長性や拡張性も欠かせません。そのように新しい事業を広く展開していくときにも、東日本エリアの拠点としてブロードバンドタワーの新大手町サイトには魅力を感じています」と語った。
企業名
NTTスマートコネクト株式会社
https://www.nttsmc.com/
設立
2000年
所在地
大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーC13階
事業内容
2000年に設立。ハウジング、クラウド、ストリーミング、データ分析・活用の4事業を展開し、国内外合わせて1万社を超える企業に対し、幅広いサービス、サポートを提供している。NTTグループという強固な基盤と、培ってきた確固たる実績をもとに、先進のICTテクノロジーを活用したサービスや365日間絶えることのない運用監視サポートなどを提供することで、コンテンツ配信業界の発展を牽引している。