株式会社KADOKAWA Connected

  • 業種

    ICT/業務コンサルティング

  • 課題・要望

    データセンターの移設

  • 製品・サービス

    データセンター

  • データセンター
  • ICT/業務コンサルティング
  • データセンターの移設

日本を代表する総合エンターテインメント企業のKADOKAWAの経営を、IT領域で支えるKADOKAWA Connected。膨大なコンテンツやサービスの運用、管理をしている同社では、すべてのITシステムを1データセンターに集約した。効率化が高まった半面、異なるサービスレベルのシステムをまとめて運用するため、メンテナンスの際の運用負荷が高まっていた。そこでサービスレベルごとにデータセンターを分ける設計とし、業務システムの移転先として選ばれたのが、BBTowerのデータセンターである第1サイトだった。

ポイント
  • 〇 全ITシステムを1データセンターに集約し効率化に成功したものの、異なるサービスレベルのシステムをまとめて運用する弊害も見えてきた
  • 〇 運用負荷を軽減させるために、業務システムをBBTowerのデータセンターである第1サイトへの移行を決定
  • 〇 大量のサーバーを隣接するラックに設置し効率よく運用。予備も含めて20ラックを契約し、将来の拡張にも備える
  • 〇 ラックサービスだけではなく、BBTowerのネットワークサービスも併せて採用。別途検討が必要となっていたネットワーク障害時やメンテナンス時に利用するバックアップ回線も纏めて調達が可能となった

サービスレベルに合わせてデータセンターを分割し、運用負荷の軽減へ。
業務システム用の基盤をBBTower「第1サイト」に移行、 将来を見据えたインフラにより、コンテンツ制作をより強固に支える

グループ全体のDX推進のために、ITシステムを統合

kadokawa-connected_01.jpg 株式会社KADOKAWA Connected
KCS部 部長
辻下 卓見氏
出版や映像、ゲーム、Webサービスといったエンターテインメント分野だけでなく、イベントから教育、IP体験施設まで、多岐にわたるコンテンツ事業を手掛けるKADOKAWA。9つの企業の合併によって生まれたKADOKAWAだが、合併直後は合併前の企業が持っていたITシステムが複数のデータセンターやオフィスに分散しており効率的な運用ができていなかった。

稼働している業務システムも多種多様であり、経理システム、コーポレートサイト、ファイルサーバー、セキュリティー機器といった一般的なものはもちろんだが、編集に用いる専用システムや物流を管理するシステムなど、KADOKAWAの幅広いビジネスを支える様々なシステムが稼働していた。そのため、グループ全体のITシステムを把握し、管理するのが困難になっていた。

「その問題を解決し、グループ全体で戦略的にDX、デジタル化を推進するために、IT部門を統合して設立されたのがKADOKAWA Connectedでした」と説明するのはインフラを担当するKADOKAWA Connected KCS部 部長の辻下卓見氏だ。

KADOKAWA Connectedが取り組んだのは、各システムや機器の集約化だった。分散していたデータセンター、各オフィスに分散していたサーバーなどを、ひとつのデータセンターに集めたのである。辻下氏は「集約によって、さまざまなITシステムが効率よく稼働するようになりました」と取り組みの手応えを述べた。

さらなる運用効率化のために、サービスレベルによってデータセンターを分割

その一方で、集約から4年が経った現在、新たな課題として「インフラの運用負荷が問題視されるようになった」と辻下氏は挙げる。例えば、一般に公開しているWebサービスは24時間365日稼働させるため、社内向けの業務システムより高いサービスレベルが求められる。しかし同一インフラで稼働させると、業務システムにも必要以上のサービスレベルを科すことになる。

メンテナンスをする際も、一般の利用者がアクセスするWebサービスと社員が利用する業務システムでは適した時間帯が異なるが、ネットワークやセキュリティーに関する機器は共用していたため、作業時間の調整に数ヶ月を要することもあったほどだ。

「要求されるサービスレベルが異なるITシステムが同一インフラに混在していると、運用管理の工数が増え、負荷が高まることから、サービスレベルに応じてデータセンターを分け、運用管理の負荷軽減を図り、拡張時のスピードアップを図ろうと考えました」(辻下氏)

そこで2023年春、「Webサービスは今のデータセンターのまま、業務システムのインフラを新しいデータセンターに移設しよう」というプロジェクトが動き出した。しかし、グループ全体の業務システムの移転となると、サーバーなどの台数も膨大になる。「将来の拡張に備えて、予備も含めて20ラックを契約し、隣接した形で利用したい」「高性能のサーバーを稼働させるための高電力、重い機器を乗せるための耐荷重に耐えられるデータセンターにしたい」などの要件を決めていった。

「各業務システムは、複数のラックに収められたサーバーが接続して成り立っているので、ラックが隣接していないと接続が難しくなります。もしラック同士が離れていると、ケーブルを配線する際に何度も往来しなくてはいけません」(辻下氏)

オプションサービスやキーの変更などの細かい要望にも柔軟に対応

2023年5月、KADOKAWA Connectedが4、5のデータセンター事業者をピックアップし、検討した結果、ブロードバンドタワー(BBTower)が東京、大手町に構えるデータセンター「第1サイト」が選ばれた。

選定要因は、隣接するラック数や高電力、耐荷重などの要件を満たした上に、ネットワークの相互接続性、大手町というアクセスしやすい立地の良さ、そして他のオプションサービスを含めたトータルでの提案、入館や廃棄物処理のしやすさ等の日常的な運用部分でのメリットだった。

「大手町はIXが集まっている場所であり、他のデータセンターやクラウドサービスとの接続性に優れています。私たちが働いているオフィスからも10分程度で到着できるため、障害が起こった場合でもすぐ駆けつけられるという安心感があります」(辻下氏)

コストについても「単純に価格が安いという話ではなく、オプションのネットワーク、回線サービスも含めてトータルでコストを抑えた提示をしてくれました」と高く評価している。

バックアップ回線のため、普段はトラフィックが流れない回線となる。BBTowerの提案では契約帯域を下げることで、固定費用を抑えるものだった。メイン回線障害時やメンテナンス時などトラフィックが流れるタイミングで契約帯域を超えた分のみ従量課金とするため通常のランニングコストを抑えることができる。

「BBTowerは、データセンターだけでなく、ネットワークサービスなどを含めた幅広いサービスを用意しています。そのため、私たちのニーズに寄り添いつつも、コストを配慮した形でいろいろな提案をしてくれたのです」(辻下氏)

採用決定後も「さまざまな細かい調整をしてくれた」という。例えば、もともとラックのセキュリティーは鍵で空ける錠前を使う予定だったが、辻下氏はダイヤルキーへの変更を希望し、BBTowerはダイヤルキーにて解錠するラックを提供できるよう、柔軟に対応した。「第1サイトは、事前登録しておけば生体認証ですぐにデータセンター内に入室できます。本来であれば、入室後にラックを空ける鍵を窓口で受け取らなくてはいけないのですが、ダイヤルキーに変更できたことで、データセンター到着後、5分程度でラックの前まで行って作業を始められるようになりました。移設の時期は何度もデータセンターを訪問する必要があるので、スピーディーに作業を開始できるのは大きな利点です」(辻下氏)

将来を見据えて、新たなサービスの利用も検討

その後、2023年の9月に契約へ移行、新たな機器の購入や設計などを進め、12月1日にラックの引き渡しを受けた。そして2023年12月現在、機器の搬入、ラック間の配線などの下準備が始まったところである。

「送った機器をデータセンターで受け取ってくれるので、非常に助かっています。事前に搬入申請をしておくだけで、宅配便やチャーター便の荷物をBBTowerが受け取って、所定の場所に運んでくれます」(辻下氏)

今後は、旧データセンターと第1サイトを相互に接続し、2024年春を目処に仮想基盤やサーバー類の構築、旧データセンターからのデータの移行、ネットワークの切り替えなどの作業を行い、2024年中に移設を完了する予定となっている。

「第1サイトでの構築作業が本格化すれば、KCS部のメンバーが大手町のデータセンターに直接足を運ぶ機会も増えます。そうなるとスムーズに入館できるメリットがますます生きてくるでしょう」(辻下氏)

移設が完了した後には、データセンター内にいるBBTowerのスタッフが代理で作業を行う「リモートハンドサービス」など、まだ利用していないBBTowerのサービスにも関心があると辻下氏は語る。

「これまでは機器が故障すると、KCS部のメンバーが駆けつけていましたが、BBTowerのスタッフがその場で対応してくれれば、短時間でトラブルを解決できます」(辻下氏)

エンドユーザーの期待に応えられる「余裕あるインフラ」を目指して

「今回の移設では、旧データセンターで動いている業務システムをまるごと、BBTowerの第1サイトの基盤に持ってくるので、『いかに安定して稼働させるか』『ユーザーに変化を意識させないか』が重要になります。その上で、コスト削減、運用負荷軽減を目指しました。今後は、メンテナンスの回数、時間も減らせると期待しています」(辻下氏)

そして運用負荷が減ったぶん、体系だったDR、自動化、新テクノロジーの導入など、これまで手が回らなかった取り組みにも積極的に乗り出すことを検討しているという。

「膨大なコンテンツを蓄積してきた会社ですので、システム面でもコンテンツを大切にしたいと考えています。今でもデータのバックアップは取っていますが、より安全なDRを構築する、デジタル化できていない古いコンテンツを保存するなど、手が回っていない課題も残されています。今回の移設で運用負荷を軽減したら、それらの課題解決に向けて取り組みたいという思いがありました」(辻下氏)

仮想マシンのデプロイ、ネットワークやセキュリティーの設定の自動化なども進めば、さらなる運用負荷の軽減が期待できる。またGPUを利用した新しい開発環境の構築などにも興味を持っていると辻下氏は語る。

「将来、事業部門 から、『新しいテクノロジーを活用したい』という話を受けたとき、その要望を受け止められる余裕のあるインフラにしていきたいと考えています。

BBTowerはデータセンターだけでなく、ネットワーク、接続サービスなど幅広いサービス、ソリューションを用意していますし、社内に研究所を持ち、積極的に新しい技術の活用に取り組んでいます。インフラ周りで困りごとがあったら気軽に相談に乗ってくれるので、これから出てくる新しい課題に対しても対応していただけると期待しています」(辻下氏)
企業名
株式会社KADOKAWA Connected
https://kdx.co.jp/
設立
2019年4月1日
所在地
東京都千代田区富士見二丁目13番3号
事業内容
ICT/業務コンサルティング、システム設計/構築/運用、クラウドサービス、Bigdataサービス